自己紹介2
今回は、医師になって2~3年目の頃のお話です。
大学病院での研修生活を送った後、
私の希望であった、大阪城の近くにある400床程度の市中病院に配属されました。
そこは当時とても活気があり、若い研修医がたくさん研修していました。
毎年6~8人程度の先生達が入職し、
内科、外科、呼吸器科、消化器科、循環器科、血液内科、整形外科、泌尿器科、産婦人科、小児科、等々を研修します。
私は内科、外科、消化器外科を中心として、
1年先輩のA先生、B先生とともに研修を始めたのです。
A先生、B先生共にとっても優秀でした。
A先生は良く言えば親分肌。
先輩風をふかせまくるタイプでしたが、
その分面倒見も良くて、いろいろな事を教えてくれます。
人付き合いは大変上手で、偉い先生方や看護婦さん(昔の言い方です!)には
とても好かれていました。
”もてる事はとても大事!” といったオーラがいつもあふれている
エネルギッシュな人でした。
B先輩は優等生タイプ。
すべての事をほぼ完璧にこなしていました。
うまく周りに合わせて、チームプレイを大事にします。
しかし、どこかに目には見えない野望のような物はあったように思えました。
外科の最初の研修は、まずは数多くの手術に入る事。
週に5~10件近く手術に参加します。
いつの日か執刀する日が来る事を夢見つつ、
第2助手として、手術を見ることと少しお手伝いをする事が主な仕事です。
朝、A先輩から手術前に少し手術のレクチャーを受け、
一緒に手術に入ります。
私はほとんど何もさせてもらえませんが、
A先輩は手術中に縫合や結紮、手術の最後には閉腹(お腹を閉める事)を一人で出来るまでになっていました。
昼ご飯は、食べるか食べないかの内に午後の手術。
手術が終わると、もうすっかり夜です。
残った仕事を始めるものの
なぜか夜12時頃に、A先輩から ”天満橋まで飲みに来い” と連絡が入る。
あわてて仕事を片付けて、町に出かけていく。
このような毎日を送りながら、いつか外科の執刀医になる事を目標にしていました。